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2009.11.20

こんなこともあろうかと…

なんとまあ、故障しているイオンエンジンをニコイチして地球を目指してるんだと!

小惑星探査機:「はやぶさ」、帰還へ エンジンが故障、遠隔操作で復旧成功 - 毎日jp(毎日新聞).

 新たなエンジン故障が発覚した日本の小惑星探査機「はやぶさ」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は19日、過去に故障して停止していたエンジン2基の装置を組み合わせて、止まっていたエンジンの噴射に成功したと発表した。


「はやぶさ」は4基A~Dのイオンエンジンを持ち、3基を同時使用できる機構を持っているそうだ。そのうちAエンジンは打ち上げ直後に動作不安定で予備に回され、3基でイトカワに到着。そして帰還中にBエンジンの中和器が劣化して故障。中和器というのは、イオンエンジンで推力を得るのに、加速させて飛び出していくプラスイオンを作ったときのマイナス電荷が本体に残って帯電しまくるので、少量のイオンガスをだして、イオンエンジンから出ているプラスイオンと電気的に橋を架けてマイナス電荷を放出する機構。これの動作が劣化してしまい、動作停止に陥ったそうだ。

で、2基のC,Dエンジンで飛んでいたのだが先日、さらにも1基Dエンジンの中和器が壊れ、残るCエンジンも中和器もそろそろ限界であることが判り、これで来年の地球への帰還がピンチの状態となっていた「はやぶさ」は、2基の故障しているエンジンを組み合わせて動かせる電源回路を作動させてみたところ、加速が行えたとのこと。

最初に動作不良で予備に回されていた1基目の中和器とイトカワ出発後に壊れた2基目のイオンビーム器とを動作させてみたら、それなりの加速度をえることができたんだってさ。

これは「こんなこともあろうかと…」を地でいくようなもので(笑)、あらかじめ、もしかしたらこんな動作も出来るかもと、地上でのテストではできなかった(真空中で電荷の橋渡しが出来る環境がなかったんだろう)が、たぶん動くだろうと想定して組み込んでいた回路だったそうだ。しかもダイオード一本を電源に追加したことで可能に出来たことなんだとさ。やっぱり、人の手の届かない衛星や自動探査機のいろんな事故や故障の想定をしつつも、限られた予算、機材、重量、容量のなかで頭を捻って組み込めるその発想にはいつも驚かされます。

もっと詳しい、なにをどうしたのかのインタビュー記事は、ここで読みました。

はやぶさリンク:はやぶさ、帰還に向けてイオンエンジン再起動: 松浦晋也のL/D.

 トラブルを起こしていた小惑星探査機「はやぶさ」は、11月11日の試験で推力の回復を確認。12日以降、イオンエンジンの連続運転を再開した。残る必要加速は200m/s強。3月下旬までにこの加速を達成できれば、来年6月の帰還が可能になる。

 運転再開を可能にしたのは、AからDのイオンエンジンのうち、Bのイオン加速器とAの中和器を同時使用するという裏技だった。これにより6.5mNの推力発生が可能になった。

あと5ヶ月近く、こんな綱渡り状態で加速し続けないと実際には帰還できません。。。。こればかりはこれ以上壊れないことを祈るしかないでしょうかねえ。。。

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Comments

まさにこんなものがありますよー。
真田さんがはやぶさの為にあの手この手を駆使します。

http://suppoco.jugem.jp/?eid=668

Posted by: さとしす | 2009.11.21 at 19:59

わははは
そうなんですよねえ
これまで「こんなこともあろうかと…」のオンパレードで「はやぶさ」は飛び続けています。
それだけ、最初からなにが壊れそうかという予測しているのもそうだけど、遠く自分の目で確かめられないものをいくつかのテレメトリ-情報で現象を掴み、今あるもので制御していく技術にも、幸運(強運)にも助けられているところもありますが、それはものすごいものだと感動してます。

Posted by: くっきも | 2009.11.21 at 23:16

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